一人でも多くの方に味わっていただきたい
400年の伝統の風味を今に伝えて静岡名物丁子屋のとろろ汁
中に入るとチョウナ仕上げによる黒光りのする大黒柱、おおきな粱、なつかしい炉端、自在かぎ、400年の歴史を伝える民具や文献を飾る資料室。日本民家の美しさの中で味わう麦とろの情趣は格別。
東海道五十三次の21番目宿場もととのえられ、名産の自然薯を原料にした丁子屋のとろろ汁はたちまち街道の大評判になりました。
芭蕉の句碑  俳聖芭蕉の一句
梅若菜丸子の宿のとろろ汁(1691年)東遊する弟子の(おとくに)にはなむけしたもので、すでに街道名物をしのぶ思いがする。
おとくには、笠あたらしき春のあけぼのと附句している。
十辺舎一九の碑
駿府(静岡)に生まれた十辺舎一九は1765年日本最初のユーモア作家として、弥次郎喜多八の東海道中膝栗毛を出版、空前の大ヒットは、二十年余に及んだといわれている。
丸子宿の場は、とろろ汁をつくりながら喧嘩する夫婦に巻き添えを喰い、空腹をかかえて残す一首で幕を閉じている。
「けんくわする夫婦は口をとがらして鳶とろろにすべりこそすれ。」
丁子屋